第172話

夕食のあと、エイラとヴィンセントは、ショウ博士たちが去っていくのを見送った。二人きりになると、ヴィンセントは彼女のほうへ向き直った。

「君とセバスチャンは番だった。あいつの事業を潰す必要まであったのか?」

エイラは正面から彼を見据えた。「セリーナのために道を空けたのが気に入らないの? それとも、あなたが彼女を追いかけにくくなるのが嫌?」

ヴィンセントは何も言わなかった。

その沈黙だけで、答えは十分だった。

「妊娠の話を出したとき、ずいぶん驚いてたわね」エイラは言った。「セリーナ、あなたには言ってなかったんでしょう」

彼女はバッグを手に取った。

「私が嘘をついてると思うなら、本人に...

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